2026年最新版

App Store審査 完全ガイド

iOSアプリをApp Storeに公開するためには、Appleの審査を通過する必要があります。 このガイドでは、2026年現在の最新ガイドラインに基づき、審査を通過するために必要な要件を詳しく解説します。

📋 App Store審査の基本

App Storeへのアプリ提出後、Appleの審査チームがアプリを手動でレビューします。審査期間は通常1〜3日ですが、 問題がある場合はリジェクト(却下)され、修正して再提出する必要があります。1回のリジェクトで数日〜1週間のタイムロスが発生します。

審査基準はApp Store Review Guidelinesに定められており、 主に以下の5つのカテゴリに分類されます。

安全性

危険なコンテンツや機能の禁止

パフォーマンス

完成度・安定性・正確さ

ビジネス

支払い・サブスクリプションの透明性

デザイン

UIガイドライン・HIG準拠

法的要件

プライバシー・著作権・規制対応

💡 ポイント

審査は自動化されていない部分も多く、同じ機能でも審査員によって判断が異なる場合があります。 ガイドラインを遵守するだけでなく、審査員が理解しやすいよう「審査に関するメモ」を丁寧に記入することも重要です。

🔒 Privacy Manifests(必須)

2024年5月より実質ほぼ全アプリで必須

Privacy Manifests(プライバシーマニフェスト)は、アプリがどのAPIを使用し、どのようなデータを収集するかを申告するファイルです。 Appleは2024年5月以降、下記の「必要理由API」やApple指定のサードパーティSDKを使うアプリにPrivacyInfo.xcprivacyの同梱を義務付けています。 UserDefaultsもこのAPIに含まれるため、実質ほぼすべてのアプリが対象です。

対象となるAPIカテゴリ

NSPrivacyAccessedAPICategoryFileTimestamp

ファイルのタイムスタンプへのアクセス

NSPrivacyAccessedAPICategorySystemBootTime

システム起動時刻へのアクセス

NSPrivacyAccessedAPICategoryDiskSpace

ディスク空き容量の取得

NSPrivacyAccessedAPICategoryActiveKeyboards

アクティブなキーボードの取得

NSPrivacyAccessedAPICategoryUserDefaults

UserDefaultsへのアクセス

PrivacyInfo.xcprivacyの作成方法

  1. 1

    Xcodeで File > New > File を選択

  2. 2

    検索欄で「App Privacy」と入力し、App Privacy Fileを選択

  3. 3

    ファイル名を PrivacyInfo.xcprivacy にしてアプリターゲットに追加

  4. 4

    使用するAPIと収集するデータ、使用目的を各項目に入力

⚠️ 注意

サードパーティSDK(Firebase、AdMob、Facebookなど)が独自のPrivacy Manifestsを持っている場合、 それらも自動的にアプリのマニフェストにマージされます。SDKの最新バージョンを使用していることを確認してください。

🗑️ アカウント削除機能

ログイン機能があるアプリは必須

2022年6月以降、ログイン機能を持つすべてのアプリに、アプリ内からアカウントを削除できる機能の実装が義務付けられています。 単に「退会する」ページへのリンクがあるだけでは不十分で、アプリ内で完結する削除フローが必要です。

必要な実装要件

アプリ内の設定画面から直接アカウント削除できること必須

アカウントに紐づくすべてのデータを削除すること必須

削除前に確認ダイアログを表示すること必須

削除完了後、ユーザーにメール通知を送ること(推奨)

削除処理中は適切なローディング表示をすること(推奨)

推奨される画面遷移

設定画面
アカウント管理
退会・削除
確認ダイアログ
削除完了

📍 ATTフレームワーク(App Tracking Transparency)

iOS 14.5以降、ユーザーをデバイスをまたいでトラッキングする場合は、App Tracking Transparencyフレームワークを使用してユーザーの許可を取得する必要があります。 広告配信(AdMob、Facebookなど)を行うアプリは特に注意が必要です。

ATT許可が必要なケース

IDFAを使用した広告配信

サードパーティの広告SDKの使用(Google AdMob、Meta Audienceネットワークなど)

複数のアプリにまたがるユーザー行動の追跡

フィンガープリンティングによるユーザー識別

// ATT許可リクエストの実装例(Swift)

import AppTrackingTransparency

ATTrackingManager.requestTrackingAuthorization { status in

switch status {

case .authorized: // 広告IDを使用可能

case .denied: // トラッキング拒否

case .notDetermined: // 未回答

case .restricted: // 制限あり

}

}

また、Info.plistにNSUserTrackingUsageDescriptionキーを追加し、 なぜトラッキングが必要かをユーザーに説明する文言を記述する必要があります。

👥 UGCモデレーション(ユーザー生成コンテンツ)

ユーザーが投稿・コメント・メッセージなどのコンテンツを作成できるアプリ(UGC機能を持つアプリ)は、 Appleのガイドライン1.2に基づき、コンテンツのモデレーション機能の実装が必須です。2026年6月の改定で、違反コンテンツを放置した場合は改善計画の提出を求められ、対応しないとストアから削除されることが明記されました。

必須のモデレーション機能

ブロック機能

他のユーザーをブロックし、そのユーザーからのコンテンツを非表示にする

通報機能

不適切なコンテンツや行動を運営に報告する手段

フィルタリング

不適切なキーワードや画像を自動でフィルタリング

対応フロー

通報されたコンテンツを運営が確認・対応する仕組み

🤖 AI機能を使うアプリの要件(2025年11月改定)

ガイドライン 5.1.2(i) / 1.2

ChatGPTやClaude、Geminiなどの生成AIをAPI経由で組み込んだアプリは、2025年11月のガイドライン改定で 「第三者AIへの個人データ共有」について明示的な同意が必須になりました。AI機能を使用するアプリ開発者は特に注意が必要です。

第三者AIへのデータ送信前に明示的な同意を得る(5.1.2(i))

ユーザーの入力や個人データをOpenAI・Anthropic・GoogleなどのAI APIに送信する場合、どこに送られるかを明示し、送信前に明示的な許可を得る必要があります。プライバシーポリシーとApp Store Connectのプライバシー情報にも「第三者と共有」として記載します。

生成コンテンツのフィルタリング・通報手段(1.2)

AIが生成するコンテンツもユーザー生成コンテンツと同様に扱われ、不適切な内容のフィルタリング、通報手段、連絡先の掲載が必要です。実在人物のなりすましや性的・差別的な生成は1.1で禁止されています。

「AI生成」ラベルとハルシネーションの注意書き(推奨)

ガイドライン上の義務ではありませんが、AI生成であることの明示と「事実と異なる場合がある」旨の注意書きは強く推奨されます。医療・金融など誤情報が損害につながる分野では1.4.1の観点からも必要です。

📱 メタデータ・スクリーンショット

App Store Connectに入力するメタデータ(アプリ名・説明文・キーワード)や スクリーンショットにも審査基準があります。これらの違反によるリジェクトも頻繁に発生します。

メタデータでよくある違反

他社アプリ名・ブランド名をキーワードに含める(商標侵害)

「No.1」「最高の」など証拠のない優位性の主張

「無料」の表記があるのに課金が必要な機能がある

スクリーンショットに実際の機能と異なる内容を表示

アプリ説明文にApp Store外の購入先URLを記載

スクリーンショットのルール

実際のアプリのスクリーンショットを使用すること

デバイスのフレーム内にアプリが表示されていること

端末の状態バー(時刻・バッテリー)が表示されている場合、クリーンな状態にすること

iPhone 6.9インチ(または6.5インチ)と、iPad対応時はiPad 13インチのサイズを登録すること(小さいサイズは自動生成される)

⚠️ よくあるリジェクト理由と対策

App Store審査でよく見られるリジェクト理由を、対策とともに紹介します。

ガイドライン 2.1

アプリの完成度が低い

クラッシュする、機能が動作しない、UIが崩れているなどの問題がある場合。

対策:提出前にすべての主要機能を実機でテストし、クラッシュレポートがない状態にする。

ガイドライン 4.1

コピーキャットアプリ

既存アプリと酷似した機能・UIを持つアプリとして判断される場合。

対策:アプリの独自価値をスクリーンショットとメモで明確に説明する。

ガイドライン 4.3(b)

App Storeに価値を加えないジャンル

飲み会ゲーム・おなら・ゲップ・カーマスートラは「低品質・低労力」として不承認。出会い系・懐中電灯・効果音・壁紙・タイマー・占いは「確立済み」で、意味のある違いがなければ不承認(2026年6月改定)。技術要件を満たしていても落ちる。

対策:前者はコンセプト自体を変更して新規アプリとして申請する。後者は既存アプリにない体験を説明文の冒頭とレビュアーへのメモで示す。

ガイドライン 5.1.1

プライバシーポリシーが不十分

プライバシーポリシーURLが無効、または収集データの記載が不十分な場合。

対策:収集するすべてのデータと使用目的を明記したポリシーページを用意し、有効なURLを設定する。

ガイドライン 3.1.1

アプリ内課金の未使用

デジタルコンテンツや機能の購入にApp Store以外の決済を使用している場合。

対策:デジタルコンテンツの販売にはStoreKitを使用したアプリ内課金を実装する。

ガイドライン 2.1

デモアカウントが提供されていない

ログイン機能があるのに、審査員がテストできるデモアカウントが提供されていない場合。

対策:「審査に関するメモ」にテスト用のメールアドレスとパスワードを記載する。

AIで自動チェックしてみる

このガイドで解説した要件を、AIが自動でチェックします。
Info.plistをアップロードするだけで、問題点と修正方法を瞬時に特定。

無料で審査を開始

最初の2回は無料。クレジットカード不要。