iOS 14.5以上2026年6月 更新

ATTフレームワーク実装ガイド|許可率を上げるUI設計

iOS 14.5から導入されたApp Tracking Transparency(ATT)は、ユーザーの行動追跡に関する明示的な許可を求めるフレームワークです。 正しい実装方法に加え、ユーザーの許可率を高めるためのUI設計パターンを解説します。

ATTとは・なぜ必要か

ATT(App Tracking Transparency)は、アプリが他社のアプリやウェブサイトをまたいでユーザーを追跡する場合に、ユーザーの明示的な許可を求めることを義務づけるフレームワークです。

広告トラッキング目的でIDFA(Identifier for Advertisers)を使用するアプリや、データブローカーに情報を共有するアプリが対象です。 許可なしにIDFAを取得・使用した場合、App Store審査でリジェクトされます。

基本的な実装手順

  1. Info.plistにNSUserTrackingUsageDescriptionを追加

    ユーザーに表示される追跡の理由を日本語で記載します。「ユーザーに関連性の高い広告を表示するため」など具体的な説明が必要です。

  2. AppTrackingTransparencyフレームワークをインポート
    import AppTrackingTransparency
  3. requestTrackingAuthorization()を呼び出す
    ATTrackingManager.requestTrackingAuthorization { status in
    switch status {
    case .authorized:
    // IDFAを取得して使用
    case .denied, .restricted, .notDetermined:
    // 追跡なしで動作
    }
    }

許可率を上げるプレ許可ダイアログ

Appleのシステムダイアログが表示される前に、独自のプレ許可ダイアログを表示することで許可率を大きく改善できます。 一度「許可しない」を選んだユーザーは設定から変更しない限り再度尋ねることができないため、最初の印象が重要です。

価値を明確に説明する

「追跡を許可すると、あなたの興味に合った広告のみが表示されます。関係ない広告は減ります」など、ユーザーにとってのメリットを具体的に伝えます。

ビジュアルで分かりやすくする

許可することでどんな体験が変わるかをイラストや比較図で視覚的に示します。文字だけより許可率が上がります。

タイミングを適切に選ぶ

アプリ起動直後ではなく、ユーザーが価値を理解してからダイアログを表示します。特定のアクション後(初回購入完了後など)が最も効果的です。

「後で」オプションを提供する

プレ許可ダイアログに「後で決める」ボタンを設けることで、準備が整っていないユーザーが「許可しない」を押すのを防げます。

審査でよく指摘される実装ミス

NSUserTrackingUsageDescriptionの記載が空または「トラッキングのため」などの曖昧な説明

ATTダイアログを表示せずにIDFAを使用しようとしている

「許可しない」を選んだユーザーに機能制限やペナルティを与えている

ATTダイアログ表示前に「許可しないと使えません」などの強制的な表現を使っている

ATT不要なケース

以下の場合はATTの許可は不要です:

  • 自社アプリ内でのみデータを使用する(クロスアプリ追跡なし)
  • ファーストパーティデータのみを使用する(自分のサービス内での分析)
  • アプリ内のみで動作するファンクショナルクッキー
  • 詐欺防止・セキュリティ目的の使用

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